ケトルベルトレーニングをこれから始める方へ

今日はケトルベル(KB)とそのトレーニングに関して、表題通りこれから初めてケトルベルに挑戦したいという方の為にブログを書きます。

ちょっと前、日本からKBトレーニングに関してまとめてご質問をいただきました。
その方は、私がアイアンマン誌で連続掲載しているKB関連の記事を発見され、ケトルベルというものの存在を知り興味を持たれ、「これから始めたいがどうやって、、、? 仲間も数人やりたがっているが皆初心者で」という事で皆様の疑問質問をまとめて頂きました。
という訳で、今日は「エンター・ザ・ケトルベル」(ケトルベル入門)ブログです!

Q1: ケトルベルとは?
A1: ボーリングの球に取っ手がついたような形状のウエイト道具です。 鉄製であったり、鋼鉄の中に鉛を溶かしいれたものなどがあります。色や形も目的や重量別で様々です。球の周りをビニールやゴムで仕上げたものなどもあります。 昔も今も東欧やロシアではサーカスやストロングマン達の力比べなどでも登場しています。 日本では一般的に筋トレ用の道具として使用される事が多いですが、海外では現在、筋トレ道具と、KBリフティングの回数を競うKBスポーツ競技の2種に、主に分けられています。

Q2: ケトルベルを始める適年齢はありますか?
A2: 安全性さえ理解していれば(或いは理解する人が側にいれば)何歳でもOKです。当然ながら未だ骨が柔らかい小さなお子さんや骨が成長期の少年そして年配の方のトレーニングには注意が必要です。 ちょっと究極的な例を挙げてしまいますが、私はここ数年東欧の、とある女の子から”追っかけ”られて居るのですが、毎日数回来るメッセージの中で、今日は「私の妹は昨日”レスラーブリッジポジション”でロワーバックにバーで引っ掛けた16kgのケトルを4個乗せた」そして「片手で16kgをオーバーヘッドに楽々とプレスし、ワンハンドで28kgベルをデッドリフトした」と報告してきました。この妹さんはなんと今5歳です!!! そういう彼女本人は今18歳ですが50kgベル2つ計100kgを片手でプレスできます。 彼女一家は遺伝的に不思議なストレングスを持ち、家族全員サーカスで”怪力家族”として働いています。彼女の事はいつか特集を組んで紹介します。 話がずれました。すみません・・・

Q3: 初めての人は何キロのベルを買うべきですか?
A3: 青年期以降の一般男性でしたら初めてのKBには16kgを強くお勧めします。 16kgは一般男性にとってちょうど”重過ぎず軽過ぎず”で、筋トレ競技トレに限らず最も高頻度に使用され重宝される重量なのです。ストレングスの無い女性なら8kgから、ある女性なら12kgをお勧めします。 そして、ケトルそのものに慣れるまではシングルベル(ベル1つ)でのトレーニングをお勧めします。

Q4: どんなケトルベルを買えばよいのでしょうか? お勧めブランドはありますか?
A4: まず、見た目にバランスの良いもの。ハンドルが若干右(左)上がりだったとか(たまーにある)床に置いた時ぐらつく物などは不可。又、基本種目のダブルハンド(両手)スイングの為に、両手がハンドルに程よく巻きつく太さと幅と(球体との)高さがある事。しかしハンドルと球体の高さがあり過ぎてもスナッチなどで前腕を痛め易いので程よい高さを選ぶ事。競技用のKBは、競技基準に準じたサイズと形状をしており又日本では一般販売は殆ど行っていないのでここではこのベルの解説はパスします。 日本で私が体験したベルの中ではやはりドラゴンドアー(DD)社とIVANKO(イヴァンコ)社の製品は使いやすいですね。イヴァンコのハンドルは少々ユニークでDD社のそれよりハンドルが太めで角が若干あるのが特徴ですが、ハンドルはグリップ力を高める為にわざと少々太めに作られています。 個人的に新しいベルより何千回も使い込まれた、チョークや汗や手の摩擦で古びてきたハンドルが最も手に馴染み、良いベル、というか、使いやすく愛着のあるベルという事になります。カラフルにペイントされたベルなどもありますが、ハンドルまでペイントされたものは、塗装が剥げて来ると塗装が欠けた所に手が引っかかって手の皮をむやみに傷つけるし、剥げなくても、汗で滑りやすく、チョークが馴染みにくいので個人的にお勧めしません。
他にも沢山良いブランドはあると思うので是非色々リサーチしてみて下さい。

Q5: ケトルベルの手入れは必要ですか?
A5: 特に必要ありません。 ゴルフやテニスプレーヤーがクラブやラケットの手入れをする事はあるかもしれませんが、ウエイトリフターがバーベルやダンベルやプレートをせっせと磨くのを見た事はありません。。。。 ですが、KBは、購入後まずハンドルがつるつる過ぎたり塗装のざらつきやデコボコが目立つ場合は使用前にハンドル全体にやすりを掛ける事を勧めます。やすりを掛けると手に馴染み扱い易くなります。 過日KB世界チャンピオンのラチンスキーが、新たな新記録挑戦の前日、私の仲間のドルビーの使い込まれたベルを、更に念入りに(ハンドルに)やすりを掛け、チョークをしっかり厚塗りし、40分位かけてハンドルの下準備を行っていました。ハンドルはケトルと体(肌)が常に触れ合う最も大切な部分なので、ここだけは注意が必要です。球体の塗装は使い続ければいずれ欠けたりはがれたり、写真のように錆びたりし、又球体の中の鉛の欠片が崩れ落ちその欠片がスナッチのたびにコロコロベルの中で音がするという事も稀にあります。これはもうしょうがない事です。先にも書きましたが私は使いまくられてボロボロになったベルが一番好きです。競技でもワークショップでも、自分のKBを選べるのであれば私はなるべく古めのベルを選びます。写真はやすりがけの最中のラチンスキーとハンドルをチョークで化粧されたドルビーのベルです。この緑の24kgベル(ベルは1個のみ使用)を翌日1時間で915回挙げて彼は自己世界記録を更新しました。


Q6:服装は?
A6:ジムでトレーニングするときと同じ服装で良いと思います。流行りとしてはカーゴパンツやバスケットボール用の膝丈パンツに上はTシャツなど。レスリングのシングレットとかも。私はジョギング用パンツやヨガパンツにタンクトップなど。運動をするのですから動き易ければ良いのです。マイクマーラーは3日続きのワークショップの内2日間はジーパンで(しかもジャラジャラ鎖の飾りのついた!)指導していました。 競技用の場合は服装やウエイトベルトや靴等色々ルールやコツがあります。写真はジーンズでレネゲード・ロウのデモと解説を行うマイクマーラー

最後に宣伝ですが、アイアンマン誌12月号が発売されました! 今回は久々4ページ全カラーで私の記事が掲載されていますので、是非ご一読下さい。

長くなったのでとりあえず今日はここまで。

ナゾ