ローナ・クレイドマン

去る11月6日、ラスベガスにてAKC=アメリカンケトルベルクラブの主宰する”AKCクラシック”競技会が開催されました。


そこで、ローナ・クレイドマンがついに米国初のMSWC=マスター・オブ・スポーツ・ワールド・クラスのタイトルを獲得しました!!彼女は20kgベルのバイアスロン競技に、体重65kgクラスで出場、力強いリフティングで他を圧倒し、MSWCの栄えあるタイトルを勝ち取ったのです。 彼女は3年位前に米国初のインターナショナル・マスター・オブ・スポーツのタイトルを獲得し世界チャンピオンにも2度なっています。

ローナは私の初めての”本格的なGSコーチ”です。 競技までの数ヶ月間彼女の元に週2回通いGSトレーニングの基本を学びました。個人指導は厳しかったけど、彼女はこの厳しさを自分にもかせていたのだと思います。或いは自分にはもっと厳しかったかも。
彼女とは不思議な出会い方でした。 ある日、共通の知人を通してローナの名刺が私の手元に突然来た事が始まりでした。 ちょうど競技会初出場を決めたものの、トレーニング方法で悩んでいた私は名刺をもらって直ぐに彼女に電話をしてプライベートセッションの予約を取りました。 その数ヵ月後あるパーティーに出席した私はそこで初めて会った人と他愛ない会話をしている中でジムやトレーニングの話になりましたが、その人は「ケトルベル!? よーく知ってるよ。だって僕がよく一緒に仕事する人の奥さんがケトルベルで2回も世界チャンピオンになってるだから。」「え、、、それは若しかして私のコーチだったローナの事?」、、、と言った具合です。
そしてその後も私達は彼女が住んでいたマンションの上階のジムでOKCイベントを行ったり(勿論彼女は遊びに来てくれました)、今私は彼女の家から歩いても15分位の距離の近さまで引っ越してきたので、近い内に彼女に会いたいと思っています。

ここ最近の彼女は、出場する大会では、バイアスロン、ロングサイクルを問わず負け知らずです。彼女は自分のウェブサイトで「インターナショナルマスターオブスポーツになった時は既に40歳を過ぎていたが、現在の方が10年前よりもスタイルも良いし、ストレングスもパワーも耐久力も10年前より上だ」と言っています。 彼女のストレングスコーチのラリーは私も良く知る人ですが、この間パーティーで話した時、「ローナはオーバートレーニングしてもへっちゃら。人並みはずれた競技根性の持ち主。」と言ってました。その彼女は今IKSFAのルドネフ教授の下でトレーニングを行っています。先だってのLAでのイベントでは、ラスベガスAKCクラシック出場に備えコンディションを整える為1時間LC参加はしませんでしたが、その後のIKSFAワークショップには参加し、初めてルドネフとじかに会ってトレーニングを行いました。ルドネフの指導が彼女を国内初のMSWCに導く手助けとなった事は言うまでもありません。 ちなみに彼はケン・ブラックバーンやJWやドルビーのコーチでもあります。ケンは昨日のフェイスブックのコメントで「ルドネフのような素晴しいコーチの元でトレーニングできる事は大変光栄な事だ。」と書き、スティーブコッターも「彼が米国人達を指導する事で米国GS技術が上がってゆく。これは素晴らしい事だ」と絶賛しています。

ちょっと前の私のブログコメントでJoseCarlosさんが「ケトルベル⇒ウエイト器具⇒筋肉ムキムキ」といった簡易方程式が女性の頭の中にあるようで、、、、てな事を書かれていましたが(笑)、ローナはKBリフターの中でも誰よりも激しくトレーニングをしている一人の筈です。しかし私の撮った上の写真でも、(失礼ですが)40代半ば近くとはとても信じがたい美しく引き締まったボディーとスタイル。そして、筋肉は外からも多少分かりますが”ムキムキ”からは程遠く女性らしさをしっかり保っています。ウエイトリフターというカテゴリーの中でも世界チャンピオンレベルでこれほど女性らしいスタイルを保てる、或いは作り出せるのはケトルベルリフティング以外にはあまり無いのではないでしょうか。

そして、数ヶ月前IKSFAに初めて女性のコーチが誕生しました!”オクサナ・ニキフォー”という名の彼女は、ロシアや北欧のGS競技界では正式種目であるパワージャグリングのエキスパートで、世界チャンピオン2回、ヨーロッパチャンピオン1回、そしてロシア国内大会では11回も優勝しています。彼女もひょろりと背が高いですがムキムキとは殆ど反対に痩せ型です。。。。と言ってもジャグリングはちょっと特殊な種目ではありますが。
まあ、女性とケトルベルに関しては又改めて書きたいと思っています。
※ KBジャグリングですが、このブログや動画を見て一人で「是非やってみよう」と思わないで下さい。全てのKB種目がそうですが特にジャグリングはKBの扱いに細心の注意の必要な種目です。動画を見ても分かるように、衣装や動きはエレガントでも”ウエイトをポンポン投げている”のです。一歩間違えば大変危険な動作です。この動画を真似されて腰を壊したとか足や頭にベルを落としたと言われても責任が取れません。ジャグリングの経験豊富な、或いはKBを熟知しているインストラクターの元以外での個人トレーニングは安全上お勧めしません。
ローナは普段はとても上品でエレガントです。フィットネス界に属しながらも体育系の気合は普段感じられません。なんと言うか、一つ上の余裕で、競争の激しい渦に巻き込まれずに悠々と暮らしています。 しかし、何処から見てもパーフェクトなボディーはフィットネスインストラクターらしく、そして何よりも彼女の手。手の甲はきれいに手入れをされ美しいのに手の平はなんとマメだらけのガッチガチの、、、以前IKSFAのデニス・ヴァシリエフのすごい手の平の写真を公開しましたが、彼女の手も正にアレと同じです。 何度も皮が剥け出血し、固まって、、、それを繰り返した手。彼女が如何に激しく練習を繰り返してきたかが想像できます。 格好良い女性です。


そういう私は今日も両の手の皮がベロリと剥けてしまいました。ジムのケトルは勝手にやすりを掛けられないのでザラザラのハンドルには本当に痛い目に会っています。
とほほ・・・・・

映像は先週のAKCクラシックでローナが国内初のMSWCに輝いた時のリフティングの模様です。 バイアスロンだから、一種目めはジャークで2種目めはスナッチです。 共に20kgベルで行っています。 スナッチで最後力が尽き、それでもベルを時間まで必死で挙げ続ける最後の数レップスが感動的です。並みの根性じゃありません。

ローナのウェブサイト(英語)はこちらから。←クリック

ナゾ