ケトルベルテクニック上級編

ジョンワイルドが最近ワイルドに変身しつつあります。(ちなみにジョン・ワイルドの”ワイルド”は本名です)
ロシアでは色々な意味でショックを受けた私達OKCの3人はそれぞれのKBトレーニングに新たな挑戦を始めています。
ジョンワイルドはロシアから帰ってからというものがむしゃらに働きトレーニングは1日2回行い生活も改善しました。その結果、この数週間で体重は16kg減りました。 日本に行く時には今迄と違うJWに会える事と思います。
ドルビーはマスター・オブ・スポーツを目指し、私は競技会で”ちょっと特殊なKB種目”のエントリーを目指してお互いトレーニングを始めています。

7月に入り、いよいよあと1週間半後には日本へ上陸です! 参加者の方々に色々な注意事項等のメールをお送りしたいのですが、参加者の方でパソコンのメルアドをお持ちでない方もおられる為、近いうちにこのブログでお知らせを書きますので、お手数ですがイベントまでこのブログを時々チェックしてみて下さい。

参加を考えておられる方はお早めにお申し込み下さい。又、今回は大阪イベントでドルビーや私が特別なKBデモンストレーションが出来そうです。OKCジャパンツアーの詳細はこちらから←。 イベントに関するお問い合わせとお申し込みはnazo@OrangeKettlebellClub.comまで。

======================================

さて今日はロシアで行った、シンプルでありながら効果的なトレーニング方法を紹介します。
”グローブ=手袋”です。手袋は安めの薄い軍手のようなタイプが良いでしょう。
「何だ今更。 軍手ケトルリフティングなんてとっくに知ってるしやってるよ」と言う方も多いと思います。
こう言われる方の殆どは、「手にマメが出来るのを保護する為」と言う目的で使用されていませんか?
ロシアのトレーニングキャンプで軍手を配られた時、私達も最初同じように考え、「ハードコアなロシアンコーチ達が軍手?」と訝しがりました。 配られた軍手は表がシリコンのプツプツの滑り止めが付いていて、裏は普通です。それを私達は滑り止めを手の甲の方に、普通の生地のほうを手の平側にはめさせられました。
目的は、「手の平の保護」ではなく「軍手をはめてわざとケトルのハンドルの握りを滑りやすくしてスナッチをやりにくくする」のが目的だったのです。GSリフターはベルのハンドルや手の平にチョークを塗る事で、長時間のリフティングでかいた手の平の汗をチョークに吸収させ滑りにくくしますが、軍手にはチョークは使えません。そして軍手をはめてわざと滑りやすくなった状態でスナッチを何十レップスも行うと素手の時より俄然技術と握力と集中力を必要とするのです。これが彼等の目的でした。 滑りやすいので疲れて握力が弱まれば、或いは集中力が欠ければベルはすっ飛んで言ってしまいます。このトレーニングの為には間違っても指の部分を切ってはいけません。指の部分にも軍手がはめられている事で指の力も必要となるからです。

この軍手をはめて、私達は全員1列に並び、スナッチ競争をさせられました。全員同時にスタートし、時間無制限で誰が一番最後までスナッチをし続けられるか。と言う競争です。コーチ達がそれぞれ一人ずつ私達生徒の前に立ちレップ数をカウントしてくれました。 JWはケトルキングのミシンが数を数えてくれましたが、JWにはどのレップ数も「ブレッ。。。ブブッ。。。ブレッ。。。ブブッ。。。」としか聞こえなかったそうです。ロシア語でカウントしてくれたんですね(笑)
そして、、、結果はどういう訳か、私が最後の一人になって、未だスナッチを続けていました。 一人又一人とリタイヤして行き、残ったのは私とアメリカ国内チャンピオンのアンドリュー・ドゥーニエの2人。私の横にJWとドルビーが立って「ドント・ギブアップ、ナゾ!」と応援してくれました。 シングルスナッチの手を持ち替えるのは一回のみでしたが、始め左で行ったものの、やはり軍手が滑りやすくて本当にやりずらく、6分ほどで持ち替えてしまいました。しかし右は握力が左よりあったのでそれから13分ほど行い、合計約20分近く行った所でうっかり左手でベルに触れてしまいそこで失格。 アンドリューは15分ほどでギブアップでした。 私は軍手をはめていながら、右の手の平に2つもマメが出来てしまいました。やはり必死でベルのハンドルを強く握っていたせいでしょう。この後皆軍手を半ダースお土産にもらいました。 ロシアのキャンプでもらった軍手なので、なんか貴重過ぎて使えません(笑)

私はコーチの一人イゴー・モロゾフに「外国では、軍手は一般に手のマメ防止の為にはめるよ」と言ったら「何だ皆”お嬢さん”なのか(笑い)?」と笑い飛ばされてしまいました。 恐るべしロシア人!!
更に、私が腕にリストラップをしていたら「そんなもん見たくないから取れ」と言われてしまいました。「だって、ラップ無しで一日リフティングしたら腕にケトルあざが出来ちゃうよ」と言うと、「アホか、KBリフティングはアザや痛みを経験しなければ上達はしないのだ!」と言われました。そういうイゴーやデニス君の手首の下の所の筋肉はボコっと変な風に大きく固く盛り上がっていました。ベルが何千回も当たった痕です。やはりロシア人はハードコアでした。

軍手スナッチですが、タイトルにも書いたとおり、上級者用なのでビギナーの方はやらないで下さい。 手からベルがすっぽ抜ける可能性がある=危険だからです。上級者の方は人がまわりに居ない公園などで是非トライしてみて下さい。

ナゾ