柔術とケトルベル〜ハーラン君

グレイシー。 柔術をやっている方ならこの名前を聞けばすぐピンとくると思います。私は柔術をやっていないのでグレイシーと聞けば“グレイシー柔術ブラジリアン柔術を作った人、ヒクソン・グレイシー”くらいしか頭に浮かびませんが、今日はその有名なグレイシー一族の若手、ハーラン(英語読みではラーラン)・グレイシーがジムにやってきました。OKCジム建物のオーナー、デイブ主催のパーティーで出会って話した時「そーなんだ、君グレイシーファミリーなんだ。私はグレイシーって言ったらヒクソン・グレイシーくらいしか知らなくてスンマセン、、、」と言ったら「あ、それ僕のおじさんです。」と。(お父様は有名なヘウソン・グレイシーヒクソンのお兄さんです)ありゃ〜。。。。    次の写真はググって見つけたハーランの写真です。 (Photo credit : Graciemag.com)

OKCノースのジムの建物はコンクリート平屋で3つのテナントが入ってます。右は建物の所有者(オーナー)デイブの事務所。真ん中がOKCジム、その隣はカリフォルニアに6カ所ある有名なグレイシー柔術アカデミーの一つ“ラルフ・グレイシー・柔術アカデミー”です。(私たちは英語でラルフと言ってますが、本当はブラジルだからポルトガル語で“ハウフ”と呼ぶようです。)プロクラスの柔術家も通うこのアカデミーには4〜5歳くらいのお子ちゃまたちもギを着てバタバタとアカデミーに入って行ったりしていつも可愛いなーと思っていました。 ハーランはここのインストラクターで、週数回はサンフランシスコのグレイシーアカデミーにも指導に行っています。 パーティーでのハーランとの会話で彼は「君たちのジムの前を通るたびに一度覗いてみたいと思ってたんだ。多くの柔術家や格闘家はKBをストレングス強化のために使うでしょ。でも僕はただKBを使った筋力やストレングス強化には興味ないんだ。もっと柔術の技や指とか細かなところに響くトレーニングがKBリフティングでできないかと思って。」 技はともかく指とかに響くトレーニング?を、ケトルで・・・・? ほぉ。 写真の右側がハーラン。左はグレイシーアカデミーに9年くらい通っているベテラン生徒さん。

パーティーの別れ際の挨拶で「来週火曜日夕方頃いる?時間あったら覗きに行くよ」と言われたけど、大体こういう場合は日本の挨拶でいう「そのうち行くよ」が「まず行かないと思うよ」とほとんど同意語というのと同じで、実際に来る確率は少なく私はすぐにそのことを忘れてしまいました。笑 そしたら火曜日夕方にやって来た! この時点で私のハーランを見る目がちょっと変わりました。 誓約書にちゃんとサインしてから私とジョンの元でベルをちょっと触っていろいろ雑談。「じゃあ金曜日僕の仕事が早く終わればまた来るよ」と。今度は私もちゃんと準備して待ってたら又、ちゃんときました。
ケトルは全く初めてのハーランです。指導はJWにお任せ。一般人でKB全く初めての場合男性なら通常12kgから始めそれから個々の身体ストレングスのレベルに応じ16kgのベルに移行します。JWは詳しい解説のあと、通常行うKBデッドリフトやダブルスイングを飛ばしていきなりシングルスイングからそれも24kgを持たせました! 最初はフォームはガタガタですが、24kgスイングは軽々という感じです。JWはポンポンと的確にピンポイントアドバイスを行います。エリート柔術一族に生まれ、幼少からどっぷり柔術の世界で暮らしてきた27歳のハーラン。トレーニングは軽めのを入れれば週6〜7日。 だから運動能力が極まっているため余計な解説はあまり必要なく、的確なポイントのみ伝えればすぐに体が理解をしてゆくのが見ていてわかります。ほんの15分ほどの間にフォームは見違えるほどになっていました。そして流石柔術家だけあって柔軟性と下半身の耐久力がすごい! JWは26~28~32~34kgとベルの重量を上げて行きます。 今日は36kgまで行きました。流石は黒帯保持者です。そして一度スイングするとこちらがストップというまでやり続けます。最初何も教えずにスイングの途中で「左右の手を交代して」とJWが言ったら、一旦ベルを床に置いてそして別の手でベルを拾って再びスイング。几帳面な性格のようです。一時間高重量スイングを行い「楽しいや」とニコニコしてたけど手みたらベロリと皮が剥けてました。「きゃー、君これは痛かったでしょうに」と言ったら「ははは、僕たちはいつももっと痛い思いしてるからこの程度は問題ないよ」と言って剥けた皮をつまんでバリッとはがしてました。笑  写真は32kgと36kgでスイングするハーラン君。初めてケトルを持った人には見えないですね!

一時間ベルを振ってみた後JWと3人で色々話し「KBスポーツリフティングが僕の柔術の技や成績にこれからどう影響してゆくか研究してみたい」という話になりました。朝起きるとすぐに体を動かしたくて仕方ない。だからすぐに道場へ行くんだ、というハーランです。腰が低く礼儀正しく私には最後に「貴重な時間をありがとう。」言って手を合わせてお辞儀して行きました。もし彼のようなアスリートがKBスポーツを続けられたらどこまで伸びるのか。こちらサイドでも大変に興味があります。 10月日本に来るデニスは元アームレスリングとMMAの選手です(どちらもCMSタイトル持ってます)KBと他のスポーツとの横のつながりは結構面白いです。

ちなみに、ハーランとはデイブのBBQ(バーベキュー)パーティーでたまたま私の隣に座ってたので話しかけられましたが、実はこのパーティーが実に面白かったんです。主催者のデイブは実はラルフ・グレイシーアカデミーのオーナーでもありマスターコーチでもあります。このパーティーとデイブがまた実にユニークなので、この続きは次回のブログに書きますね。

ではでは、本日も鉄球入魂なり。 明日はオープントレーニングです。