体と怪我と健康

OKCJapanの7月の訪日イベント、まだ応募可能ですので是非お申込みください。

私たちはケトルベル競技者です。OKCには上級リフターがたくさんいます。上級リフターとは、男性なら24kg以上、女性なら(16kgダブル)のベルを使用し競技会でメダルまたはランキングを獲得するために、コーチをつけて本格的にトレーニングを行っている人たちのこと。そしてプロ・リフターもいます。ロシア以外では、まだKB競技者ということで国や団体からプロスポーツ選手としての給料をもらってKB競技で生計を立てているいる人はまずいないので、欧米のプロ・リフターとは一般に、男性なら32kg、女性なら24kg以上を扱う、または同重量ベルクラスでMSタイトル以上の人たちという認識があります。ちなみにセルゲイ・ラチンスキーがパートナー経営しているロシアのユーロ・フィットネスジムでは、MSタイトル以上の選手は無料でジムを利用できます。
例えばOKCチームの選手、マイクサレミは体重78kgクラス、ノコーナは73kgクラスで二人とも現在来年のカリオープンで40kgダブルLC10分間競技への出場を目指すプロ選手たちです。

どんなスポーツでも、人に勝つため、トップを目指す人、プロレベルの人などは普通の人と同じ生活をしていれば、どんなに才能があってもある一定のレベル以上のトップは望めません。OKCのプロリフターのクリス・ドエンレンやマイクサレミはプロ意識を持ってます。なのでGPPはもちろん食事、睡眠、リカバリー、レクリエーションなど、トレーニング以外の時間もほとんどKBスポーツのために生活を合わせています。二人とも特にリフターのための食生活にはこだわりを持ち、ジムに来るときは必ず自分で作った”特別なお弁当”を持参しています。土曜のオープントレーニングの後は近所の酒屋から大量に氷を買い込み、ジムの裏手で氷のベッドを作ってその上に30分くらい寝ます。彼らは家では氷水のお風呂に30分間入ります。マイクは夜10時には就寝。食事や栄養学は専門分野なのでそのこだわりは異常なくらい。それらの日々の総合的な努力が彼らをアメリトップリフターにさせるのです。

先月はマイクサレミがKBリフターのための肩と背中の健康とケアについてのワークショップをOKCジムで開催しました。「人間の体には骨は206本、関節は360箇所、そして筋肉の数は640もあるんだ。私たちは肉体を酷使する厳しいトレーニングを続けながらもこれらを十分にケアしてゆかねばならない」とマイクは語り始めました。そして登場したのはスタンという名の(笑)スケルトン。マイクは大学で栄養学を学び現在栄養学のマスター=修士号候補生で、人体工学とホリスティックの権威ポールチェックのホリスティック・ライフスタイルとチェック・エクササイズの資格講師です。また、WABDLワールドのベンチプレスとデッドリフトのチャンピオンでもあります。



人間の体がKBリフティングをする時に生じる骨や関節へのインパクトや筋類の反応や影響などの解説から、実際の効果的なウォームアップやリカバリー方法などをかなりディープに解説しながらのワークショップ。内容は医学的でかなり専門的でしたが、スケルトンや実際の仲間(人体)をモデルにしながら出来る限り目でも理解できるよう解説してくれました。とても奥深い内容で大変勉強になりました。

怪我
これまたどんなスポーツでもプロレベルであれば常に体を故障させる危険を持ち合わせています。一般人の何倍もの強度や時間のトレーニングを行ったりするため体がオーバーヒートすることもあるし体への負担も半端じゃありません。しかしこの怪我。怪我のパターンには数通りあります。
1:自業自得の怪我=これは一般的。 基本技術を学ばないでYouTubeやオンラインから適当に拾ってきた情報をもとに自己流でトレした結果の素人さんの怪我。
2:勉強不足、指導不足のインストラクターに指導を受け続けた結果の怪我。=これも実は結構多い例です。そしてこれは当然ながらとても危険です。
  デニスヴァシレフ曰く”資格なしに専門外のことを教えるインストラクターは怪我そのものよりも危険。”です。
3:プロまたはプロレベルのリフター。=プロも怪我や体の故障を起こします。職業病のようなものです。怪我の可能性をいかに軽減させるか、また怪我をした時の対処とリカバリーを賢く行うことができるかが重要です。

筋肉痛の痛みは怪我の内に入れません。筋肉以外の骨や関節や腱などがズキっと痛むまたは激しい痛みを感じたら即座にトレーニングは中止し、スポーツドクターやカイロや整体などの専門家に診てもらい、それまではトレを休みます。また、普段のトレで怪我をしないよう適切なウォームアップやリカバリー用のクールダウンのエクササイズを忘れずに行ってください。また、KBリフターの場合、手の豆なども怪我の内に入りません。KBトレーニングでは、例えば外科医など手に傷がついたら感染の恐れがあり仕事に支障をきたす、などの特別な事情のある方以外はグローブをはめることはあり得ません。(グローブスナッチなど、滑り止め無しのグローブをはめることで敢えて滑り易い状態でグリップを鍛えるといった使用方法は例外)世界トップリフターの一人のブリッタニーちゃんもブログで「手の豆やリフティングで手を出血したなどは怪我とは言えない。(KBリフターには当たり前のこと。)」と書いています。 

普段の生活では、もちろん体に良い食物の吸収や深い睡眠など全てが生活そしてトレーニングにも影響します。だからマイクやクリスは全てにこだわって生活しているのです。

マイクはいつも動物一頭分の肉をオーガニック牧場まで買いに行きます。ヤギだったり羊だったりと色々ですが、写真は最近彼が”オーガニックの牧草だけを食べて放し飼いで育った牛”の肉を一頭分買ったという写真。家の冷凍庫の他にガレージには、これらの肉の保存用の大きな業務用の冷凍庫を持っています。
この写真の肉は全部で何と418ポンド=190kg分!!!  私もJWもその一部を来週買取に行ってきます。楽しみです!

Photo credit to Mike Salemi