異例のケトル週末旅行

先週の金曜日、いつものようにケトルクラスで指導した後、夕方と週末の仕事を休んでそのままJWと車で3時間半かけて南カリフォルニア(So-Cal)のフレスノという街へ行ってきました。

私たちのケトル仲間マイケルとマギー夫妻の家に2晩お邪魔しました。2月に他界したフィルの追悼記念式が土曜に行われ、それに参加するためです。フィルのお話はこちら(←クリック)をお読みください。マイケルはセントラル・ヴァリーというケトルベルジムを経営していますが、その前は幾つかのケトルベルジムを所有していて、そのうちの一つをマイケルの親友だったフィルが買い取って経営していました。私は私とJWだけがマイケル家に泊まると思っていたらマイケルの家には沢山のケトル仲間たちが集まってパーティーをしていてちょっとびっくり。友達のエリックやダンはサンディエゴから電車で7時間かけて来て、こちらのブログポストで紹介した”手の平流血の根性レディー”ミッシェル(←クリック)もサンディエゴから車で6時間かけて来ていました。マイケルの家にはミニケトラーのミアちゃん7歳とサイルス3歳(二人の話題と写真はこちらをクリック)、4匹の大きな犬、猫と鳥がいてそれだけでも賑やかなのに他にも沢山のケトル仲間が集まり、マイケルは数キロのステーキ肉を庭でバーベキューをして、私はいきなり予想外の展開に、少々不謹慎ながらワクワクしてきました。 沢山のケトル仲間たちとケトルイベント以外で集まることはほとんどなかったからです。 そもそも”普通の服装”でケトル仲間と会うことからしてレアです。みんなでケトルやトレーニングやジムの話で盛り上がり、そして食事! マギーはアメリカ生まれなので国籍はアメリカですが血筋はエジプト人。以前から「Nazoは食べるのが好きだから是非一度私の手料理を食べてほしい」と言ってくれてましたが、彼女のエジプトの手料理が本当に美味しい! そして動物好きの私とJWは大きな犬がたくさん寄ってきて嬉しい限り。が、しかし一匹だけ,,,,生後6ヶ月(といってもすでに中型犬より大きい)〜のピットブル、タンクがJWがマイケル家に入ってきた瞬間からJWを怖がりJWを見ると逃げ回るのです。笑  犬の中でも特にピットブルが大好きなJWは自分のステーキの一部をあげてなんとか仲良くなろうとトライしますが、タンクは尻尾を丸めて怯え顔で上目づかいにJW見て、JWがちょっと動けばすぐにダッシュで逃げます。みんなそれ見て大笑い。写真は三日目、やっと少しJWの近くまで行けるようになったタンクですが、そーっとテーブルの下からJWの様子を伺い、JWの足(写真手前)が動いたら速攻で逃げる体勢。この怯え顔が可愛いのなんの。笑 右側の耳が垂れている方がタンクです。 

その夜はマイケル家に7人くらい泊まって翌日は朝食後,OKCの今年のカリオープンのドキュメンタリー映画が出来上がったのでそれをみんなで観ました。これはサンディエゴのKBジムを経営するダンの叔父様が映画編集者で、彼が作ってくれました。一般公開(?)が始まったらここでも紹介します。映画の後は
みんなでマイケルが最近オープンした新しいジムへトレーニングに行きました。

夕方からはみんな正装してフィルの追悼式に向かいます。追悼式は始め教会とかを予定してたようですが参加人数が250名以上になり、急遽学校の運動場で行うことに。会場にはフィルのコラージュ写真やカリオープンで授与した彼のメダルと賞状などが飾られていました。


次の写真は私は写真を撮りながら涙が出そうになった2枚です。
1枚目はフィルの経営パートナーだったメナイがJWの胸で静かに泣き崩れているもの。

そして次の写真はケトル仲間たち。メナイがフィルの写真入りケトルを持っています。この”9人”は皆個人バラバラの人生を生きていて、たった一つ”ケトル”で繋がっています。全員KBスポーツ・リフターです。私がカメラを向けたので皆笑顔ですが、ドルビーは笑っていません。涙をこらえることができないからです。そしてメナイは泣きはらした顔に必死で笑顔を作ろうとしています。この瞬間”9人”の"Soul"=魂は繋がっていたと信じています。

式典では牧師さんが一般的な聖書朗読ではなく、牧師さん自身がフィルのパーソナルの生徒さんでトレーニングを行ってきた話を時にジョークを交えながら話し、その話の合間の音楽はフィルの親族の人がポップソングのバラードを歌ったりし、日本の”故人を偲ぶ会”とは感覚の違う、大陸的なものでした。式典の後はバーベキューパーティー。フィルの人柄がこんなに沢山の人たちを遠方から集め、そして全体的に暖かな会だったのもやはりフィルの人柄のせいだったのだなと感じました。 先述のOKCカリオープンのドキュメンタリー映画でもフィルの話題が出ています。

翌日はマイケル家の子供たちや3匹の犬と遊び(タンクはまだJWに慣れなかった。笑) 私もJWもドルビーも久しぶりにケトルビジネスに追われる毎日のストレスから発散できました。ちなみに子供たちは私のことを「ミス・ナゾ」と呼び、ドルビーは「アンクル・チューハイ(アンクルとはUncle=叔父さん)」そしてJWは「キャプテン・ジョン」と呼んでました。爆笑  そしてこの子達のお部屋がアミューズメントパークみたいで最高でした。お庭には家庭菜園とキャンピングカー2台(といってもちょい古いタイプ)それにマイクとマギーそれぞれに車1台ずつ、そしてアウトドアジャグジーバス。マイケル家は特にリッチなファミリーというわけではなく一般的な家庭です。キャンピングカーは「一時家を買うお金もなかったから中古のキャンピングカーを買いそれで生活していた。」という理由だそうです。 それでも彼らの生活を見て「物質ではなく”生き方”がとてもリッチだ(充実している)。」と感じました。

この週末は私にとって束の間の息抜きとなりました。またアメリカに生活する人たちの考え方、人間同士の付き合い方や考え方、人生観や子育ての哲学、生活の仕方など本当に沢山のことを見たり知ったりすることができました。 そして私とJWはマイケルとマギーと何か不思議な人間的な”つながり”を感じました。アメリカは巨大な国です。この国に20年くらい住んでるけど私にはまだまだ分からないことだらけです。でも少しずつ、少しずつ理解し、そしてこちらの人たちからも理解され始めていると感じます。