KBスポーツリフティングの練習

4月はハワイに行ってきました。
ハワイ初のKB競技会をOKCが開催したのです。更にその翌日から2日間はOKC初のインストラクター資格コースを開催しました。競技会の方はワイキキの”クロスフィット・オアフ”が会場スポンサーとなってくれました。今回は久しぶりに私も参戦しましたが、、、、ハワイだけあって、暑い! リフティング途中で喉がカラカラになり厳しいリフティングとなりました。結果は昨年のロシアでの大会の時よりは多くリフトでき、他のOKCメンバーと共に金メダルをもらいましたが、自分のPRやJWから与えられた目標レップ数には届かず、今月のシアトル戦で自分自身への汚名挽回を狙う所です。 このハワイ競技会とOKC資格コースのリポートは5月12日発売のアイアンマン誌6月号で4ページに渡って掲載されます。
そういえば、アイアンマンにも書きましたが、ハワイのクロスフィットには防府に対抗してか、108kgのベルがありました! そして今回はJWは見事に108kgをクリーンできました! 快挙です。

さて、OKCJ資格コースの受付がどんどん進んでおります。北は東北から南は九州まで、日本各地からお申し込みを頂き、私達もワクワクしています。今回は講師陣に私達OKCJのヘッド・インストラクター3名と、昨年東京競技会に出場し、東京ワークショップでアシスタントも行なったシンガポールのイアンが、生徒さん達から大変好評だったので、今年は正式にアシスタントとして参加が決まりました。また、私達の資格コースは今後アメリカでもどんどん開催してゆくというのにわざわざアメリカからも参加者が来られます。 昨年に続き今年も又しても日本語の出来ない人たちが集まるので、お母ちゃん役の私は「今年もどうなることやら・・・・」と増える仕事に頭を抱えております・笑。 コースのお申し込みですが、資格取得はまだ考えていないが、勉強の為参加したいという方もおられますので、その場合、一般参加としてお申し込みを受け付けております。参加費は資格取得希望者の半額となります。 お申し込みとお問い合わせは nazo@okcj.net まで。

今回の参加者の方々や、既に11月の競技会参加を考えておられる方々から「実技試験や競技会のためのKBellリフティングの練習の仕方が分からない」というメールを沢山頂きます。日本では、まだKBellスポーツの為の練習プログラムを紹介或いは提供する人や所はOKCJしかない為、私は個人的にメールで練習方法やプログラムを紹介してきましたが、お問い合わせが多くなってきたので、ここでいくつか紹介します。

ウォーミング・アップ
1:体や関節の柔軟運動〜OKCJのコースに一度でも参加された方は、コースの始めにジェイソンの指揮で足先から頭まで体や関節をほぐしてゆく運動を行なったのを覚えておられると思います。これはKBトレーニングには大変重要なので5分でも良いから必ず行なって下さい。
例:*足の指全体で砂を掴んで離す様な動き。*足首や膝をゆっくり回す。*腰を大きくゆっくり回す。上半身を動かさず腰骨だけを前後左右にカクカク動かす。*胸を開いたり閉じたりする運動。*肘や手首を回す。*指の1本1本を動かす。*首の運動。などなど・・・
2:モビリティークラブ運動(あれば)。
3:体や関節が柔らんだ所で今度は体を温め心拍数をある程度上げてKBトレへの”戦闘準備”。 例:*トレッドミル10分ほど。*ローイングマシン(ボートこぎ)。*縄跳び。*ジャンピングジャックやスクワットなどなど・・・
4:KBウォームアップ〜 スイング、クリーン、片手ジャークなど。ウォームアップで難しい事をやる必要はありません。

上の1から3まではどれか一つでもよいし、自分の時間の中で出来る事を行ないます。4は必須。

メイン・リフティング(SPP=そのスポーツ固有のトレ)
1:自分の目指すリフティング種目に絞ったリフティング。(ジャーク、スナッチ、又はLC) 〜目標回数か時間、或いはその両方を定め、基本的に1分間に何レップス行なうかを明確にすること。
2:補助、又は強化種目〜
①クリーンやLC,スナッチの”エキストラ・スイング”付の種目。「クリーン・ウィズ・エキストラ・スイング」などと称します。参考ビデオは私のクリーンwithエキストラ・スイングの練習風景を。 
②:ジャーク5x5(ファイブ・バイ・ファイブと呼ぶ)〜 ジャークとLC種目の為の強化ドリル。ジャークのラックポジションで5秒停止⇒ジャークしてオーバーヘッドのトップポジションで5秒停止⇒ラックポジションに戻って5秒⇒トップで5秒・・・を繰り返します。これは、呼吸のタイミングをマスターする。ラックポジションとトップポジションのフォームを確認又は調整する(鏡の前で行なうのが良い)。体幹や握力の強化・・・などなど、大変優れた練習種目です。参考ビデオはJWの32kgダブルジャーク5x5.画面に電光タイマーが映っていないので分かりにくいですが、5秒ごとに腕を上げ下げしています。女性の場合はシングルベルで。 
③グローブ・スナッチスナッチの為の強化ドリルです。以前もこのブログで何回か紹介していますが、軍手を滑り止めを手の甲のほうにはめ、わざと手を滑りやすくさせた状態でスナッチを行ないます。集中力と体力と握力が鍛えられます。これは軽めのベルで多目の回数(片手30〜50回ずつ)を行ないます。JWは16kgベルなら片手100回ずつ、20kgなら50回ずつなど。ジュリエットは12kgなどで行なっています。
参考動画はジュリエットの練習風景。。。。ですが、ここにアップしたらなぜか画面が横向きになってしまった! スミマセン(泣) 
④ラックホールド〜ラックポジションのまま2分、可能なら3分間ベルをホールドし続けます。このドリルはきついので③の軍手スナッチとは反対に一つ軽めのベルで行ないます。体を左右に傾けたりせず、ジャークのラックポジションと同じ姿勢を保ち、コツは臀部をぎゅっと引き締めること。でないと腰を痛めます。以前のブログでも書きましたが、私はこのドリルが最も苦手で、最初の頃は腹部が圧迫され気持ち悪くなってトイレに駆け込み嘔吐していました。一般のタイプのKBellなら形が小さいのでやり易いですが、スポーツベルは特に私のような体の小さな者にとっては大きくて3分間ホールドし続けるのは至難の業です。このドリルはラックポジションのフォームがマスターできないと行なえません。たった2〜3分が恐ろしく長く感じます。
ロックアウト・ホールド〜オーバーヘッドのロックアウトの状態で1分間ベルを頭上でホールドします。④のラックホールドより更に一段階重いベルで行ないます。私はラックホールドは14kgベル、ロックアウトは16kgで行なっています。ジュリエットはラックホールド20kg、ロックアウトは22kg、JWはラックホールド32kgダブルで1〜2分、ロックアウトは32kgダブルで1分やってます。ロックアウトでもラックホールドも膝はまっすぐ、ラックホールドは肘もしっかりロックアウトさせます。ロックアウトでは、オーバーヘッドにベルを挙げたまま丸き回ると更にきつい練習となります。

補助、強化種目は上記の内2〜3種目を毎回種目を変えてメインリフティングの後に行ないます。

3:GPP(一般体力強化トレーニング)
私達の場合、1のメインリフティングと2の強化トレのあと更に地獄が続きます(笑)GPPでは、自重スクワット、ヒンドゥー・スクワット、腹筋種目各種、TRX,プッシュ/プル・アップ、バーベルデッドリフト、KBファーマーズウォーク、KBプレス、KBロゥ、これらをサーキット形式で数セット行ないます。 JWなどはトレのオフの日でもGPPの一環として山週3回は登りに行き、また、フィットネスクラブでトラックランニング、バイクこぎ、水泳などを行なっています。

レーニングは基本的に一日おき、トレの翌日のリカバリーも大切です。リカバリー日はヨガやストレッチ、サウナやマッサージなどにあてます。ロシアのチャンピオンたちはトレ後のストレッチはかなり長い時間をかけて行なっているようです。KBellスポーツリフティングには体の柔軟性が大変重要です。

時間的に上の1から4まで全て毎回行うことは難しいと思います。ウォームアップ10分⇒KBウォームアップ10分⇒メインリフティング5分〜15分程度(セット数による)⇒補助/強化ドリル約15分⇒ストレッチ5分。これで休憩を入れて約1〜1時間半です。これで十分だと思います。GPPは会社まで早歩きをしたり、エスカレーターの変わりに階段を利用したりして上手く作ってください。

これが私達が推奨するKBellスポーツの為のトレーニングです。 くれぐれもオーバートレーニング(トレのし過ぎ)に気をつけて下さい。どんなに練習しようとも、体を痛めてはKBellリフティングが出来なくなってしまいます。

(注:上記で書いた”汚名挽回”は間違いで、名誉挽回、汚名返上が正しいです。とKB友達より指摘を頂きました。私は英語圏で育ってないので英語はブロークン、日本を離れて20年、日本語も怪しくなってきたので、よくこのような間違いをしてしまいます。ドルビーが日本でウエイトレスに「あなたはとても可愛いですね」と言おうとして「とてもこわいですねー」(外人によくある間違い)と言ってたので、間違いを直してあげました。私は今後もこのようなミスをよくすると思うので、気づいたら是非私に教えて下さい。でないとずっと間違えたままになってしまうので。Tさんご指摘ありがとう。助かりました!!!
では。

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