・・・・鉄・球・入・魂・・・・

鉄球入魂・・・・

この言葉はOKC=オレンジケトルベルクラブを設立した際、JWから「ずーっとトレードマークとして残るキャラクターを考えて欲しい」と言われ、彼の頭の中のイメージを元に生み出したオレンジマン(別名スナッチマン) と共に、「何か漢字でキャッチフレーズを添えたい」と思って私が作った造語である。 勿論野球の”一球入魂”を捩ったものである。

この言葉を初めてOKC−Tシャツに印刷した時は、私はケトルベルの単なるトレーニーであったが、ケトルベルスポーツの競技者となった今、この言葉が生きてきた。
JWや外国人達から意味を聞かれ、”Put your soul into Iron Ball”(鉄球に魂=情熱=soulを注ぎ込め!)〜意訳すれば、「この鉄球一振り一振りに全てを賭けろ!」というニュアンスを込めた、と説明している。

JWが防府で突然この言葉を自分の体に刻みたいと言った。
「え?・・・・本当に? 真面目に言ってるの? そんな突然、、、」 戸惑う私。
「突然じゃない。ずっと脳裏にあった事だ。今たった一つある右上腕の鷲の刺青は13年前のもの。今自分の中で新しい”契り”(ちぎり)が必要だと思っていた。 ”鉄球”を知って自分の人生が変わったのだ。」と彼は言った。 防府で参加者の皆さんから戴いた贈り物の蓋に手書きで示された鉄球入魂の文字。そしてその翌日朝から夜遅くまで参加者の方達とのふれ合いがあり、彼は「米国に帰ってからじゃ意味が無い。今ここ(日本)に居る間に入れなきゃだめなんだ!」 と、頑固として言い張った。 が、そう言われても刺青などと全く縁の無い私にどうやってまともな”刺青所”(?)を探せばよいのだ???

山口から東京へ帰る新幹線の中で彼は必死で東京の刺青屋さん(?)をパソコンでネット検索しており、これは本気なのだと私も自分のパソコンでリサーチした。 怖い所へも、へたくそな所へもインチキな所へも連れて行く訳に行かない。 どうしよう、どうしよう、どうしよう!!!
一件見つけて電話したら、日本屈指の刺青師で、「明日刺青入れたいだと?、全身に彫り入れるとかなら今から来年の予約取ってやっても良い」と馬鹿にするなという口調で怒られた。 やっぱ怖い、、、ううう、、、泣。
それでも頑張って2〜3件電話したらついに口調の丁寧な人が! これやっ!!! (何故か大阪弁)

その刺青師の仕事場は三鷹市にあった。
6畳間ほどの小さな空間。 彫り師がニコチン中毒で、換気扇の真下でタバコを吸っていても部屋の空気は曇っていたが、それ以外はシンプルでクリーンで妙に居心地良い空間であった。 物静かできれいな日本語を語る彫り師はその道20年以上のベテランであった。「良かった。この人なら大丈夫」JWも彫り師を見た瞬間から安心したようだった。20分ほど打ち合わせをし、下書きをしてからJWの腕に針が入っていった。 BGMに小さくクエンティン・タランティーノの映画挿入曲シリーズや昔のサンタナなどが流れ、私もJWも不思議な空間にワープした。
ここから先は写真で見て頂きたい。 何枚か凄くアーティスティックな白黒写真が撮れたのだがこれは彫り師の都合上お見せできなくて、残念。

何故文字を逆さまに入れたかって?・・・・ケトルベルのラックポジションの時に文字が正面から読めるように。そしてリストラップで文字が隠れぬように手首の下の方に入れたのです。

ナゾ