ボルシチを作ってみた!

ロシアから帰国して数日が経ちました。
ロシアでは毎日ケトル、ケトル、ケトル、、、、、、、。 これほど濃厚なケトルまみれの2週間を過ごした事はかつてありません。4〜5つのKBイベントに参加し、数百人のインターナショナルなKBリフター達と交流し、数百人のリフターの写真数千枚を撮り、その内5百枚ほどをコミュニティーページにアップしたら3日間で観覧は1万件を超えました。また、2週間デニス家に滞在し、デニスの奥様アレクサンドラ(通称サシャ)のご両親の家にも訪問して手料理を頂き、ロシア人家庭の生活環境も垣間みる事が出来ました。ロシア紀行裏話は山のようにあるけれど、イベント写真や裏話は次回からちょこちょこ書いて行くとして、今日は料理の話を書きます。

毎日遅くまでKB尽くめで帰宅はいつも夜10時頃。時には夜中過ぎになる事も。何しろデニスが遅くまで働くので私もJWもドルビーもデニスが一日の仕事を終わるまで一緒に手伝いました。カリ・オープンの時、他のロシアコーチ達が観光や買い物に行ってもデニスだけは朝から晩まで私達と一緒にずっと働いてくれたということもありますが、それよりなにより私達はデニスと一緒に居るのが好きだからです。で、夜帰宅するともうぐったりなのでとても外食する時間もパワーもありません。昼間の間にサシャが作り置きしてくれた手料理をささっと食べて翌日の打ち合わせやトレーニングの話をして就寝は夜中1時頃。翌朝は5時半〜6時起き。なので夜は消化の良いスープ系の食事、朝は卵料理かオートミールなど。そういえばデニスが殆ど毎晩作ってくれた夕食後のデザートがあります。彼のオリジナルなので名前は無いそうですが、どちらかと言えば朝食に食べたい栄養価の高い一品。ほぼ毎日食べたのに写真撮り忘れた!!  大きなボールにバナナ、クルミ、カッテージチーズ(以上は基本)それにその日あるフルーツ類〜リンゴとかオレンジとかを加え、ある夜はそれにプロテインパウダーも加えてました。カッテージチーズは4人分で豆腐一丁分くらい入れてました。脂肪分0%か1〜2%のあっさりカッテージチーズです。さてそれらをハンドミキサー(バーミックスみたいなの)で10分くらいガ〜ガ〜ガ〜とかき回して、全部まざったら出来上がり。固さも若干のざらついた見た感じもミキサー車から流れ出るセメントみたいな感じでドロッとしてますが、味はとっても良いです。夜皆疲れてるのにデニスだけキッチンで皆の為にデザート作り私達だけダイニングルームに座って待っているのは無礼なので〜というか1分でも長くデニスと皆で話がしたいので、狭いキッチンに4人くっついて入ってデザートが出来る間も話し続けます。出来たらそのままキッチンで立ったままスプーンで食べて〜まだ話し足りないけど急いで片付けて就寝。毎晩こんな感じ。そして共同生活は合宿みたいで超楽しい!

日本で一般に知られるロシアの料理と言えばボルシチピロシキなどがありますが、ボルシチはサシャの手料理を含めいくつかの場所で食しました。ロシア料理のファーストフード店やロシアンパブやレストランなどです。どれも少しずつ味が違いましたが大体どれも美味しかったです。ロシアの代表的な軽食の一つ、ペルミニ(ロシア風水餃子)はデニスが作ってくれたけどこれはとっても美味しかった! そしてサシャはベジタリアンだけど、デニスや私達が肉好きなのでお肉料理もたまに作ってくれました。

ロシア人の食生活。
1:お茶好き: スーパーには豊富な種類のお茶(紅茶)が売ってます。デニスの家でも、家にいる時は常に色んな紅茶が出てきました。コーヒーよりは紅茶派のロシア人が多いとデニスは言ってました。デニスは紅茶に、そしてコーヒーにも砂糖の代わりに蜂蜜を入れてました。なので私達も毎日朝のコーヒーや昼夜の紅茶に蜂蜜を入れて飲みました。

2:色んな料理にサワークリームがついてくる:ボルシチは勿論、肉料理でもペルミニでもサワークリームが添えられます。デニスはピラフのようなご飯ものでもサワークリームをドカッとご飯に乗せて食べてました。また、ホースラディッシュ(西洋わさび)も何回か登場。そして肉料理とかの時、デニスが生ニンニクの欠片を出してきて「これをかじりながら肉を食べるんだよ」と薦めてくれたけど、私達は生ニンニクをかじるのは「翌日臭くなりそー」な気もしてNG. デニスはボリボリかじってました。彼は韓国料理とかも好きかもネ、、、。 ペルミニを作ってくれた時は生のワケギを一束、根の部分だけ切ってあとは長いままテーブルに出して、これまた「このままワケギをかじってからペルミニを食べるんだよ」と言ってワケギの葉の部分を掴んで根元の白い部分からバリっとかじるデニス、、、、。生ニンニクに続きJWもドルビーも私も一瞬躊躇したけどまあ、生ニンニクよりは食べ易いかもとデニスを真似て3人でワケギ一本ずつ掴んでかじりました。ペルミニひと口➡ワケギひと口➡ペルミニ➡ワケギ・・・と交互に食します。ワケギは青い葉の部分まで一本全部かじります。郷に行っては郷に従うのが礼儀だと私達もワケギをボリボリかじって行きます。片手はスプーンでペルミニを、もう一方の手は常にワケギを掴んでます(笑)。。。。。ちなみに欧米やロシアのワケギの味は日本の青ネギと白ネギの中間と言う感じ。日本のワケギは特に白い部分がラッキョウに近い味があると思います。

3:色んな料理に硬めの黒パンが添えられる:ライ麦などのがっちり重厚な黒パンがスープ料理などに出てくる。

4:少なくとも私が一緒に食事したロシア人は全員甘いもの大好きだった:デニスに板チョコをあげたら一気に全部食べてしまう。男性陣がイベント準備で夜まで競技会場にいた時デニス家ではサシャ、アマンダ、私そしてセニアちゃん(+赤ちゃんのマリア)で女子会をしました。その時セニアちゃんがお土産に買ってきたものはチョコレートケーキとバタークリームのホールケーキと超甘いクッキー。サシャはミックスチョコレートお徳用サイズとクッキー。明らかに料理の量よりスイーツの量が上回ってる!セニアちゃんは「私甘党なの! ケーキ大好き!!」といって2種類のケーキをバクバク。。。。 それで、、、なんであんなにスリムなのだ!?!? そういえばルドネフコーチもクッキー食べ出したら止まらないタイプだった。。。JWとドルビーと私は「デニス達と同じペースで甘いもの食べてたら俺たちは超危険な結果になるぞ」と怯えました(笑)IUKLイベントの時私がちょっと落ち込む事があって沈んでたら、ソロドフ会長がやってきて「一緒にお茶しよう」と言って紅茶とケーキをご馳走してくれました。ソロドフ会長の優しさに泣けたけどやはりここでもケーキだ! そのあとまだ今イチ元気出なかったら今度は私の弟分(17歳)のジュニアがやってきて「元気出しなよ。これあげるから」と言ってくれたのはでっかいチョコレート菓子だ!! 皆すごくいい人達なんだけど何かと言うと甘いものが出てくるロシアであった!!! おそロシア・・・・

ロシアから帰ったら、ロシアで食べたボルシチの味を忘れないうちに自分で作ってみたくて料理してみました。作りながら写真も撮ってみました。ボルシチはもともとウクライナの料理だけどウクライナから流れてその後ロシアの代表料理の一つとして定着した、世界の3大スープ料理の一つです。鮮やかなルビー色のスープにサワークリームの真っ白の色のコントラストがきれいです。私は食いしん坊だから具沢山にしました。だから日本の感覚で言ったらスープというより”ビーツのシチュー”と言う感じですね。










写真解説
1:牛か豚の骨つき肉を用意。私は今回牛の足と首の肉を軽く洗って多少血抜きしてローリエを入れた水から低温でゆっくり煮る。今日の肉は2Kg以上あったので2時間以上煮た。スープが濁るので煮立てない事。なるべく骨付きであること。固形ビーフスープの元や固形ブイヨンでも良いけどやはり骨つき肉のダシとは美味しさが全然違う。
2&3:かなりのアクが出るので、柔らかくなった肉を一旦取り出し、スープはこしてアクや余計なかすを取り鍋をきれいにしたらそこに漉してきれいになったスープとローリエの葉を戻す。良いダシ(ブイヨン)が出来上がった!
4:肉をコマ切れにする。骨は第2弾のダシ取り用にとっておく。
5:ボルシチの赤い色はこのビーツの色。私は初めて買ってみた。一般的には皮を剥くが、実は皮に栄養分があるので、タワシでよく洗ってから千切り。手がビーツの色素で赤くなった。ビーツ2個使用。
6:タマネギ中1個スライス、人参小2本は荒ずりしてから少量のオリーブ油でじっくり炒める。タマネギがしんなりしたらビーツを加えてビーツがしんなりするまで更に炒める。
7:ジャガイモ2個はきれいに洗って芽取りし皮つき角切りしてからビーツフライパンに加えて又々炒める。ジャガイモは皮付きだと、よく煮込んでも煮崩れしにくい。また今回は朝市で買った新鮮なオーガニック野菜を使用した為皮付きで調理したが、オーガニックでない場合は皮に化学薬品などがついている可能性があるので皮を剥いて調理する。
8:コマ切れ肉と炒めた野菜を鍋に入れ、漉したトマト(トマトピューレに近い)300g、つぶしたニンニク数個、タイム(ハーブ)、塩コショウする。トマトは缶のトマト角切りやトマトピューレなどでもOK.
9:キャベツ適量の荒い千切りを加え、レモンを搾って更に1時間ゆっくり煮る。風味を殺したくないのでここでも煮立てない事と、こまめにアク取りをすること。ちょっと作り過ぎて鍋一杯になってしまった!
10:鍋の材料が全て柔らかくなったら出来上がり。オーガニックのサワークリームと刻みパセリを加えて戴く。ディルというハーブの葉っぱがあれば本格的な感じになる。2日目か3日目が作り立てより美味しい。色が濃いけど味は決して濃くなくて以外にアッサリ感がある。少なくともデミグラス系のビーフシチューやホワイトソースのクリームシチューなどよりもあっさり。
とっても美味しく出来ました!!

ではでは。