OKC/OKCJの新ランキング・テーブル発表!

OKCとOKCJの新しいKBスポーツ・ランキング表が発表されました!

KBスポーツには、空手の段の様にランク付けがあります。KBスポーツは競技だから、競技に出て優勝してメダルやトロフィーをもらうというのも1つのゴールです。同時に下のランクから段々と上のランクに上がり、最終的にMS=マスター・オブ・スポーツのタイトルやMSIC(マスター・オブ・スポーツ・インターナショナル・クラス)というトップ・タイトルの獲得を目指すのも、KBスポーツ選手には大きなゴールとなります。
このランキングは、自分の現在のKB技術レベルのバロメーターでもあります。KB競技会に出なくても、一人で行ってみて自分の現在のレベルを知る事ができますので、皆さんにも是非トライしてみて頂きたいと思います。ただし、一人で行う場合審判が居ない為、自分では良いレップ数だと思ってカウントしても、実際審判に見せれば合計レップ数の半分、もっとひどい時には殆どのレップが”ノー・カウント”だったりします。「オレは一人でやってみたら簡単にMSのレップ数をクリアしたよ。あいつは競技に何度も出てるくせにMSタイトルが未だに取れないとは情けないな」などと言う人がこちらにもたまにいます。自分と比較して他人を下に見るような事は決してなさらないで下さい。このランクは数(かず)上げれば良いというものではなく、正確なフォームや技術で行わなければ意味がないという事を理解して下さい。 もし、自分ではフォームや技術が正しいかどうか分からないという方は、リフティング動画を撮って私に送って下さい。私でよければアドバイスを致します。

新しいランキングはマスター・オブ・スポーツの最高峰、MSICの上のHMS(マスター・オブ・スポーツ栄誉)ランクのセルゲイ・ラチンスキーとセルゲイ・メルクリン(2人ともMSIC。ラチンスキーはロシア国の名誉コーチでもある)そしてデニス・ヴァシリエフの3名が作成。3名は新組織KETアカデミーのパートナーです。現在あるいくつかの組織のランキングとは全く異なる新しいカテゴリーが入っています。この事で現在GS界ではランキングを巡って賛否両論ですが、米国のGS界はまだ新しく、しかし大変なスピードで成長している為変化と進化を続けるのは当たり前の事と思います。そしてGSの歴史を持っているロシアなどでは国のウエイトリフティング連盟などでルールや規制があり、また、国が大きいのでリフター達は居住地域ごとにチーム構成されています。米国のような“〇〇ケトルベル・クラブ”というものは存在しません。
米国GSは政府や国がらみの連盟等が関与している訳でもなく、競技会やルール、ランキングは個々のプライベート組織が管理しています。なのでランキングを作るのも変更や削除も自由です。KETのランキングが良いか良くないか、そしてこのランキングを目指すか否かはリフターの皆さんの自由です。

ではこのランキングに挑戦してみたいという方の為にランキングの見方と解説をします。ここにアップする為にはJPEGのフォーマットにする方法しかなかったのですが、これだとズームアップするとボケます。OKCJウエブサイトの方ならPDFファイルなのでアップにしてもきれいに見れます。ウエブサイト内のランキングテーブルはこちら⬅をクリックして下さい。こちらの方にはランク表の下に公式ルールの解説もあります。
ランク表は右下に小さくページ番号があるので、まずページ1から。ページ1は男性の10分間競技のランク表です。左上の”タイプ”とはジャークなどの種目名。その隣が体重クラスで8クラスに分かれています。例えば自分の体重が80.5Kgだったとすると85Kgクラスに入ります。体重クラスは以下の通りです。競技では格闘技の様に大会前日ウエイ・インで体重測定して、その時の体重でクラスが決まります。男性の体重クラスは以下の通り。
63Kgクラス=〜63Kg以内
68Kgクラス=63.1〜68Kg
73Kgクラス=68.1〜73Kg
78Kgクラス=73.1〜78Kg
85Kgクラス=78.1〜85Kg
95Kgクラス=85.1〜95Kg
105Kgクラス=95.1〜105Kg
+105Kgクラス=105.5Kg~以上  

体重クラスの右隣は、上段:ベルのウエイトクラス➡中段:スポーツ・ランクス➡下段:MS, CMS, などのランク分け。分かり易い様に32kgベルのクラスなら赤、24kgクラスなら緑16kgクラスなら黄色、という風に重量別クラスをベルの色と合わせました。右の黄色16kgベル部門が一番下のランクです。そのランク3が、OKCJ資格コースの実技試験の合格レップ数となります。ランク3から2〜1へとハードになり、CMS(カンディデート・オブ・マスターオブ・スポーツ=MS候補)➡MS(マスター・オブ・スポーツ)➡MSIC(MSインターナショナル・クラス)となります。この上のHMS(MS栄誉ランク)はロシアなどではロシアチャンピオンに10回(年に1回x10年!)ならないと獲得出来ないなどとありますので、ここにはHMSランクはありません。 ジャーク、スナッチ、LCは1レップ1ポイント制ですが、バイアスロンはジャーク1レップ1ポイント、スナッチ1レップ0.5ポイントでその合計がランクの数字となります。例えばAさんが現在体重77.5Kg(78Kgクラス)でバイアスロン20kgベルクラスでランク1を狙ったとします。Aさんの(ダブル)ジャークは100レップスしか行けませんでした。しかしスナッチは得意で左右合計180レップス行けました。この場合・・・・
Jerk100+ Snatch(180 x 0.5=)90=190reps となり、78kgx20kgベルクラスのバイアスロン、ランク1 到達レップ数185を5レップス超えて無事ランク1に届いた事になります。 しかし、競技前日のウエイ・イン時、体重が600g増えて78.1kgになっていたとすると、Aさんは体重85kgクラスでの挑戦となり、ジャークとスナッチ合計が先ほどと同じ190レップスだったとしても、85Kgクラスのランク1到達レップ数は192レップスの為、ランク1 を取りそびれた事になります。(でもランク2はもらえる)このバイアスロンの計算方法は全競技(女性や5分間競技等)同じです。


2ページ目は男性の5分間競技です。これは10分競技の半分だから楽だろうと思いきや、実はハードルはかなり高いです。例えばスナッチは手の持ち替え一回のみOKで、63kg最軽量クラス24kgスナッチでもCMSを獲得するには5分間で114レップス以上、ヘビーウエイトクラスでは130レップス上げる必要があります。24kgを競技用ベルで5分間に130回スナッチするのは相当ハードです。24kgベル1分間26レップス上げるのですからかなりカーディオを鍛える必要あり。5分間種目でランク入りを目指すなら、KBスプリントなど、10分競技とは全く別のトレーニングプログラムを作る必要ありです。OKC/OKCJでは昨年から5分間スナッチ競技を取り入れてますが、私達の5分間スナッチはビギナーやハードスタイルの人達などにも競技の楽しさを味わって欲しいと言う目的で作ったので、手の持ち替えは何度でも自由で審判も優し目です。なのでOKC5分間種目は今後も続けますが(私一人でそう決めてる・笑)KET5分間ランクを狙いたい人は、「自分は5分間ジャーク種目のランク挑戦したいです」と申し込みの時に言って頂きます。


3ページ目は女性の10分間競技です。基本的な見方は男性の10分間競技ページと同じ。ただ女性は全種目シングルベルです。12Kgベルのランク3 が資格コースの実技試験合格ラインです。4ページ目は女性の5分間競技。そして5ページ目はKBマラソンとリレー競技です。KBのリレーやマラソンは今までも行われてきましたが、ランクが出来たのはこれが初めてでしょう。なのでこれには他団体の人達などから「必要ない」といったネガティブな意見も結構来てますが、なんでも新しい事を始めたり新しいものが出来る時は必ずネガティブな意見も出るものです。前述の通り、リフター達が気に入ればこのランキングは残って行くだろうし、人気がなければ自然に消滅してしまうかもしれません。これはアスリート達が決める事です。

ラソン種目、男性はまずダブルベルかシングルベルかの選択と、30分競技か60分競技かの選択に分かれます。どちらも手の持ち替えは何度でも自由で、途中で床にベルが着いたらそこでセットは終了します。マラソン種目は300〜1200回などという凄い高レップ数となるので、自分でカウントしながらのリフティングは困難です。練習の時も誰かにカウントしてもらって下さい。まあ、カウントする人も30分や1時間リフトを数え続けるのは退屈かもしれませんね。カウントする人は数え間違いが起き易いので必ずカウンターでカチカチとレップ数を数えてあげて下さい。今巷に多く来ている質問は「マラソン種目には体重クラスがないのか?」というものです。この問い合わせが結構多いので、体重クラスが出来るかもです。ちなみにKETのこのランキングはOKCの意見が沢山入っています。私達(OKC)が皆の声をまとめてラチンスキー達に相談する事が可能です。それにしても40kgベルでスナッチ1時間500回も出来る人が居るんでしょうか・・・?凄いランクです! 女性のマラソンは10kgベルクラスからありますね。 私も試しに10kgで1時間800回を目指してみよう!!


5ページ目の最後はリレー競技です。男性はジャークとLCはダブル、スナッチと女性の競技はシングルベルです。リレーは5人グループか7人グループ競技で、どちらも1人の持ち時間は3分間。3分経ったら直ぐに後ろに控えていた人と交代します。レップ数は全員の合計で決まります。リレーはGS種目の中でもかなり盛り上がる競技です。

11月のジャパン・チャンピオンシップでは、基本3種目の他、OKCスタイルの5分間スナッチ種目を行いますが、5分間競技でランクを狙いたい人やマラソンランクに挑戦したい人も大会でチャレンジ出来る様に致しますので、希望がありましたら私までご連絡下さい。このKETアカデミーのランキングは、今春設立されたAUKL=アジアKB連盟でも起用される国際ランキングシステムです。 ランキング表はリフターの要望や統計などから時々変更して行くと思います。そしてこのKETランク表の特徴は、レベル3からレベル1まではかなりビギナー向けのレップ数です。特に女性のレベル3〜1はかなり易しいです。CMSなら、元々アスリートだった訳でなくても、しっかりしたKBトレーニング歴1〜2年あって、一生懸命練習すれば届く数字。しかしCMSからMSへは容易に行けません。このギャップがドカンとハードになっています。MS以上からが本当のプロKBリフターとして扱われるぞという意味なのでしょう。そういう意味ではこのランキングはとても良く出来ていると思います。

是非チャレンジしてみて下さい。 競技会参加ご予定の方は、この新しいランキングに挑戦出来ます。又資格コース参加ご希望の方はokcjapanサイトの資格コースのページの実技試験のレップ数を昨日アップデートしましたのでそちらをご確認下さい。

さて、今日の動画はKETアカデミーのコーチに加わったアレクサンダー・コヴォストフ(ルドネフの生徒)の40kgスナッチ動画です。レップ数をカウントしているのはデニス・ヴァシリエフ。コヴォストフは体重71kgだから73kgクラスで40kgベルスナッチを9分間で121レップス上げてます。これはKETランキングのMSIC獲得規定数110レップスを11レップスも上回った数字です。体重78kgクラスのMSIC獲得数が120だから、もう余裕でMSICクラスという訳です。凄い! このコヴォストフの写真は来月号のアイアンマンに掲載してます。とっても好青年です。何故か動画画面をこちらにアップ出来ないのでこちら⬅をクリックして下さい。

次の動画は、私達の友人でロシア人のミーシャがコレクションしているKB関連動画のひとつ、ソビエト時代の映画です。朝起きると同時にボクシング
グローブをはめ、ルームメイトと軽くスパーしてからいきなりケトルでトレーニング。スポーツ苦手な軟弱少年をスパルタ式に強いスポーツマンにさせようとする先輩達、、、、。なかなか興味深いビデオです。