進化と変化

ここ一両日、ケトルベル業界ではちょっとした騒ぎが起きています。
私の所にも同じ内容のメールがいくつも入ってきました。
「パベル・サッソーリンがRKCを辞めた」というものです。

びっくりしました。びっくりしたのはパベルがRKCを離れた事よりも、そのニュースを何人もの人が私にわざわざメールして来た事です。私がRKCインストや関係者でない事は、私を知っている人は皆知っています。にもかかわらずわざわざ知らせてくるとは、やはりそれだけケトル業界では大変な事なのだなと思いました。 この業界(特に米国)でロシア人と言えば、WKCのフェドレンコとRKCのパベルとIKSFAのアレックスが主立ったリーダー達ですが、パペルがRKCの顔として強いカリスマ性を放っていた事は周知の事実です。ドラゴンドアー社の代表ジョン・デュケインもパベルも、それぞれRKCインストラクターの人たちに送ったEメールがあって、その2つの声明文はケトルベル関連のあらゆるフォーラムやフェイスブックなどで公開されました。パベルがRKCから離れた事で、色々な規制がなくなったのか、オンラインコミュニティーやブログやウェブサイトなどで沢山のRKCのインストラクターの人たちが一気にプロファイル写真を”パベルとのツーショット”写真に切り替えました。それだけでも彼の人気を物語っています。JWやドビワンも元RKCなので、受け取ったメールの内容に公にコメントをしているようです。

GS界の方では、AKC(アメリカンケトルベルクラブ)という団体があって、AKCは資格コースを行う教育部門を管理し、同じ経営母体がWKC(ワールドケトルベルクラブ)という名で競技会を運営していました。しかし昨年いつの間にかAKCという名前は消え、AKCインストラクター・資格コースはなくなり、5時間だけのWKCフィットネス・トレーナーの資格コースか、このコースに受かった人のみが参加できるスポーツ・コーチ資格コースやストレングス&コンディショニングコーチ資格コースなどと1日以内の小さなコースにまとまりました。年に数回国内外で、フェドレンコとともに世界チャンピオンのイヴァン・デニソフをWKCコーチに迎え、数日間のトレーニングキャンプを開催していますが、これは資格コースではありません。という訳でこちらは突然の嵐の様な大告知なく静かに変化を迎えました。

ティーブ・コッターのクラブ(団体?)は以前フル・コンタクトという名でしたが、2007年よりIKFF(インターナショナルケトルベルアンド・フィットネス・フェデレーション)と改名。これまた静かにそしてごく自然に進化したという感じです。

IKSFAはまだ発足2年ですが、世界チャンピオンのコーチ陣の名は結構変動しています。団体としてのキャリアはRKCやWKCより若いものの、常に進化はしている様です。
私はこれらの中でRKC以外で全ての団体の何らかの資格を所有している事になりますが、では、パベルがRKCから独立する事で私達OKCに何か影響がでるのでしょうか? 答えは明快。影響はありません。例えば万が一パベルがGS界に関わったとしても私達の方針や方角が変わる訳ではありません。
JWとジェイソンと私は2007年まで、スティーブとIKFFの元で勉強させてもらい、アシスタントとして海外などにも同行しましたが、2007年公式に3人で独立声明を出し自立しました。今ではIKFFとも親しくしています。 回りが変化をしようとして、それが私達のポリシーと合わなければ私達は自分たちの正しいと思う道を選びます。

近年ケトルベル界は過熱気味です。それに伴い、ハードスタイルやGSなど、言ってみれば”流派”毎に互いの流派に攻撃的或は抽象的な事を公で語る人なども出てきました。 GS一辺倒の人が、クロスフィットのケトルベル・ムーヴメントを「ナンセンス」と言ったりします。クロスフィットには、ハードスタイルでもGSスタイルでもない”アメリカン・スイング”という、頭上まで振り上げるフルスイングを行っていますが、このムーヴメントをけなすGSリフターが多くいます。 実はロシアのGS競技者でもストレングス・トレーニングの一部としてこのフルスイングを行っている人が居たりするのを知らないで「これは無駄な運動」と決めつけるのはどうでしょう? 次の動画はロシアのリフターの女の子のトレーニングで、フルスイングを行っています。きっと彼女や彼女のコーチはアメリカンスイングなどという言葉は知らないでGSトレのGPPとして行っているかもしれません。

回りの、言葉や団体の動きや政治や抽象や噂や上下関係などに、出来る限り振り回されず惑わされず、また、自分や自分の団体がどれほど正しい、素晴らしいと思っても、だからといって他の人や団体や流派などを抽象するべきではないと信じています。RKC資格コースのディナーの席でデュケイン氏とパベルと同席になった知人から、デュケイン氏達がOKCの活躍について話をしていた。と聞いた時は私達3人とても嬉しく思いました。私達もRKCに対しては流派などに関係なく、同じケトル業界に居るリーダー組織としてリスペクトしています。 

今日一日ケトル関連のサイバースペースではパベルの話で持ち切りで、それを皮切りにあれやこれやと色んな話が飛び込んで来たので、ひとこと言いたくなりました。 人も、人が作る団体や組織も日々進化をしようとしています。進化は変化でもあります。昨日の自分と今日の自分では既に違うのです。OKCJも訪日の度に進化を遂げているつもりです。 しかし、その進化の方向と自分たちの哲学は変わっていません。 自分たちの目標=ランク入りであり、ゴールのレップ数なりをクリアする事。 自分たちの生徒さん達の目標達成の為の手助けを全力で行う事と、ケトルベル・リフティングの楽しさを広めること。これだけです。
周りがどう変わっても、私達は"自分たちのOKC/OKCJ"でいたいと思います。

11月のOKCJジャパンチャンピオンシップとOKCJインストラクター資格コースの予告は2日前のブログをご覧下さい。 すでに両イベントの受付が始まっています。競技会も資格コースも、参加希望の方は今から目標レップ到達に向け今からトレーニングに励んで下さい!! がんばれ〜〜〜!!!!

ナゾ