ケトル出張より帰宅 !

暫く多忙につきブログ更新が伸びてしまいました。スミマセン

さて、先週末OKC出張に行きました。やたらと大きなニューヨーク州の北側に、その名も"オレンジ郡"という地域があります。 カリフォルニアにオレンジ郡が存在している事は知っていましたが、今回のイベントが決まるまでNY州にもオレンジ郡があるとは知りませんでした。そこの”クロスフィット・オレンジNY”ジム・オーナーからワークショップの依頼がOKCに来ました。私達は受講者の人数さえ揃えば基本的に世界の何処へでも行きます。 私は今回私用の為不参加の予定でしたが、イベント前日に突然行ける事となり、朝大慌てで荷造りをし、1時間ほどケトルトレーニングで調子を上げ、午後JFK空港にJWとドルビーを迎えに行きました。途中私の携帯が壊れてJWと連絡が取れず、私と一緒に同じ携帯電話を買ったハイディとだけは電話が通じ、JWがハイディに空港待ち合わせ場所を伝え、彼女は私に電話でそれを伝えるというやりとりで何とかJWと落ち合えました。彼女が居なかったら大変でした。 携帯電話が使えないと現代人の我々の生活機能は麻痺してしまうと実感。

JWは予定時刻より40分も早く到着し(だから益々私との連絡が必要だった)ドルビーの到着を待ちます。空港出口に現れたドルビーは私見て「Nazoモトぉぉぉぉ!!! 来れたんだね!!! BOOM チューハイ!!」と喜びます。今年夏3人で成田空港で落ち合った時の楽しい記憶が蘇った瞬間でした。私は今回不参加とドルビーにも言っていたので随分ビックリされました。ちなみにドルビーは私の事を「ナゾモト・モリモト!」というフルネームで呼びますが、そのニックネームの由来はつけた本人も分からないそうです(笑)
空港でレンタカーを借り3人で一路オレンジ郡へ向います。 空港からオレンジ郡までは約2時間のドライブでした。 車中J&Jの二人は喋り続け(必ず誰かの物真似をしながら話す)私の持参した、日本の友人からのお土産のアーモンドポッキーとカステラを喧嘩して奪い合いながら夜の帳を北へ向って走り続けました。 JWが空港へ着いたのが6時、途中ダイナーで(米国版ファミレス?)腹ごしらえしてオレンジ郡のホテルへ到着した時は10時近くでした。 一度途中で水を買う為見知らぬ土地の小さな商店へドルビーと入ったら、そこには店員も客も(女性客も)全員アル中とドラッグ中毒でフラフラの人ばかりという、冗談抜きに恐怖を感じる一時がありました。 女性も男性も皆ゾンビのようでした。ドルビーは「僕の側から一歩も離れるな。誰とも話すな」と囁いて2人で足早にJWの待つ車へ逃げ込みました。 米国に暮らして10年、初めてこんな光景を見ました。J&Jの話では、マリワナ中毒者は他人に危害を殆ど与えないが、それより強力な薬物常用者の場合、彼等は自分が傷つくのも他人を傷つけるのも全く平気なので常にナイフなどの危険物を所持しているそうです。日本などから若者が米国大陸横断の冒険の旅をしたりすると、こういう事を知らずに危険な目に遭う事があるそうなので、是非気をつけて下さい。

さて、ホテルにも無事に着き私は自分の部屋も確保でき一眠りしたらもうイベント当日でした。2日間のイベントは最高の出来でした。
特にJ&Jの二人がこの数ヶ月の間にコーチとしてもリフターとしても見違えるほど成長していたのです! 5月のロシアから2人のKB生活の全てが変わりました。2人揃って大きな同じ夢を持ち、それに向って一切の迷いも無く他の全てを犠牲にして夢を実現させる為に歩き始めたのです。それはロシア人チャンピオンリフター達がKB競技を行う事に全てを賭けているのと同じ情熱に見えました。
二人は今ルドネフコーチからオンライントレーニングをそれぞれ受けています。これはトレーニングを行うだけでなく、自分達が指導する為のトレーニングプログラムについても学んでいます。そのため、ワークショップでは驚くほど密度の濃い素晴しい内容を提供していました。
このOKCワークショップが他のワークショップや資格コースと最も違う点は、他の殆どのクラブは一人のリーダーと数人のアシスタントという指導構成ですが、JWとドルビーは二人共が同等のリーダーであり、それぞれが、それぞれのパートと役割を完璧に把握し絶妙なチームワークで進行してゆく所です。二人の間にあるリスペクトと信頼関係は周りの人達にも良く伝わっていました。イベントをホストしてくれたクロスフィットオレンジのオーナーも、参加者の殆ども「今までで一番勉強になったワークショップだった」と言ってくれました。 ここのオーナーはもう「次回はいつ来てくれる?」と聞いてくれました。二人が必死で頑張っている事が結果や形となって芽を伸ばしてきた事は本当に喜びです。

2日間計16時間のコースを終えたあと、私達3人はNYではなくペンシルバニア州に向いました。 クロスフィットのオーナーがペンシルバニアまでは車で45分ほどだと言い、そこにはJWのお母様が住んでいるのです。せっかくだからジョンママに会いに行こうという事になりました。ジョンママには朝電話をしておきましたが、「オーマイガー、本当に来たのね〜〜(嬉)!!!」と彼女も大喜び。 私も久し振りに会えて嬉しく、ドルビーは以前からジョンママに会いたがっていたので嬉しそう。この夜は本当に楽しいひと時でした。夜ここに一泊して翌朝空港に向う予定でしたが、ゲストルームに3人の寝るスペースを用意してもらったのは良かったものの、この家にはネコが2匹いて、ネコアレルギーのドルビーの発作が始まり、予めアレルギー用の薬を彼は買って服用したのに全く効かず、発作は収まりませんでした。ネコが一切立ち入らない所に居ると発作は収まります。 結果、ドルビーはゴザのような物を敷いてガレージのコンクリートの床で寝ました。私とJWもドルビーが可哀相で彼に付き合ってコートを着て手袋をはめ毛布に包まって座り夜中遅くまで一緒に居ました。 外は雪が降り極寒でしたがドルビーは発作が収まり「ガレージで寝る事なんて良くあるよ」と楽しそうにさえ見えました。ちなみにジョンママの家はチリ一つ無くピカピカでネコの毛など目で見つける事は出来ないほどでしたが、猫アレルギーの原因因子は、空中内に留まる肉眼で見えないレベルの毛や角化細胞などだそうです。 翌朝私とジョンママが朝食を作る間J&Jは小雪降る中、ルドネフコーチのトレーニングをサボらない為二人仲良くランニングに行きました。ドルビーの発作はかなり重症で可哀相でしたが、それ以外は楽しいひと時でした。朝食後は3時間のドライブでNYの空港に戻り二人はLAとサンフランに戻って行きました。


彼等と居るといつも必ず何らかのハプニングが起こります。 その度に喧嘩したり助け合ったり慰めあったり励ましあったり話し合ったりしながら前に進むのです。今回もハプニングの多い週末でした。

ナゾ