AKC ロングサイクル競技会 in ニューヨーク

今の私はもう、クタクタのボロボロ。 超お疲れなのですが、どういう訳かまだ興奮状態が続いていて眠れません。

今日はAKC・WKC主催のKBロングサイクルチャンピオンシップに行ってきました。
ニューヨークの 超高級ジム”リーボック・スポーツクラブ”で大々的に行われ、(スポーツブランドのリーボックが経営)〜沢山の観客も動員し、AKCの今までの正式な競技会の中で最も大成功の一日となりました。

朝8時から出場者の体重を量る”ウエイト・イン”そして10時開始。私は今回は傍観者なので10時に会場へ。
自宅からは車で10分ほどと近いので楽です。
友人のボリスとエリックSーOはカナダのトロントからバスで11時間掛けて到着。ハイディは午後から2時間ほど見学に。その他沢山の新旧のKB仲間が集合です。

今日は写真の仕事はパスしたかったのでわざと小さなポケットカメラのみ持参。 が!!! 会場に着くと同時にフェドレンコとパートナーのエリック・Lが飛んできて、「今日一日イベント写真を撮ってくれ」と言います。 あ〜、カメラ持って無くてよかった! 「残念だけど今日はプロカメラ持ってないのよ〜」と(内心嬉々として)言う私。 するとエリックLに「僕のプロカメラを一日君に預けるから五百枚でも千枚でも撮ってくれ」と言われてしまいます。 ううううう〜〜〜〜 そしてなんとか「仕事としてやるならタダでは引き受けません」ときっぱり言いました。 そして・・・・・そのあとエリックの重い一眼レフを持って8時間半写真を撮りまくる羽目に。椅子やテーブルの上に乗っかったり床に這い蹲ったりひっくり返ったりしながら800枚位撮影しました。 10時から始まって、最後の60〜70人の参加者の集合写真を撮ったらもう夜7時近くでした。
その後どういう訳か、会場からベルを搬出してトラックに積む作業をボリスとエリックと手伝わされる羽目に、、、。何故仕事ばっかり、、、!! フェドレンコとエリックと競技会の中枢メンバーから「相談したい事があるから食事を一緒に」と誘われますが、”相談”とは大体の場合「何かを”無償で”やって欲しい」という事ではないかとや〜な予感(笑)がしたので、そして自分の大切な仲間達の大健闘を祝う方が重要だったのでやんわり断ります。 フェドレンコ達は夕食後には次のイベント(資格コース)の為にシンシナティーへ向かいます。 S・コッターといいフェドレンコといい、 ケトルベルリーダー達は米国内外を常に足軽に飛び回っています。

今回は大ベテランからフレッシュなニューウェーブまで非常にバランスの良いラインナップで、観客はケトルベルスポーツのなんたるかを実際に見学でき、多くの人がモチベーションを受けたようでした。
ローナ・クレイドマンや、アイスチェンバージムのガールズ・プロリフターグループ。(全員がマスター・オブスポーツ)、キャサリン・アイムス等の超ベテラントップリフター達は今回もランキングや新タイトルを獲得。8kgベルで行う初心者から67歳の方までそれぞれのレベルでベストを尽くします。

私にとって今回のスターは弟分のホルへでした。 彼は前回アーノルドでKB大会初出場に緊張し、納得行かない結果に悔しい思いをしたので今日までの3週間必死で練習し、今日は凄い結果を出しました。 まず、朝一番にWKCランキングに挑戦する為フェドレンコの前で10分間完走。WKCランクのレベルー2に合格。その後、午後に本番のロングサイクルを20kgダブルでトップ完走で優勝! その後更に24kgベル20分間!! のロングサイクル20分クラス部門で、脱落者続出の中完走し堂々優勝。金メダルを2つも獲得しました!
写真は20分完走直後のホルへの手です。 この状態でも最後までベルを放り投げるモンかと必死で挙げ続けた彼の根性には涙が出ました。 この後スタッフはプラットフォームやベルの取っ手に着いたホルへの血をきれいに拭き取る作業をしていました。

ヴァネッサは反対にアーノルドの時より少しバランスをくずしてましたがそれでも堂々優勝。私はニューオリンズの実家から応援に来たという彼女のお母様とホルへや、私達のジム仲間と応援。
ホルへとヴァネッサの応援をしている時私の所にアイスチェンバーのリーダー、マヤとL.クレイドマンが来て「こんな金の卵をどこで見つけたのか?」と聞いてきてちょっと鼻が高かったです。 バーベルでもケトルでも”リフティングの時必ずボクサーショーツの裾をパンツにはさんで行い、それがオムツのように見える”事から彼はすっかり”オムツリフター”というあだ名がつきました(笑)。しかしこのあだ名には皆からの親しみと”敬意”がちゃんと入ってます。 ”スター・誕生”ですね(笑)


フェドレンコからもらった参加者リストには名前が載ってなかったのですが、一人だけ、他の誰とも違うテクニックでベルを挙げている女の子を発見。 カメラのファインダーから覗いていた私は思わずカメラを離し、フェドレンコを捕まえて「この子は誰?」と聞くと、数ヶ月前にウクライナから自分のケトルベルコーチと共に移住してきた女の子で、ロシアでは既にマスター・オブスポーツのトップレベルである、”マスター・オブスポーツ・ワールドクラス”タイトル保持者だと聞かされました。どうりで!!!! 彼女の全ての動きが”ロシア人プロリフター”の美しく強くそして滑らかなリフティングで他を圧倒。 しかし、アメリカ移住後初の大会で緊張したのか、途中で、空いている方の手でベルを触ってしまい、失格。本当に可哀相でした。
その後この女の子とコーチの元へ行き写真を撮ってから、話そうと思ったけど2人とも英語が”サンキュー”以外全く話せないので残念でした. 彼女達はマンハッタンの隣町ブルックリンのロシア人街に住んでいるので、是非今後会いたいと思ったのですが、何しろ言葉のコミュニケーションがとれず。。。。ううう、、、。

アーノルド大会のウエイト・インの時、出場者の出場種目や出身地を書類に記入しますが、その時2人のいかつい顔の男性が「俺達はヤングスタウンから来た」といい、私は思わず眼鏡をを外して「ムム? ヤングスタウン!?」と聞き返しました。 オハイオ州ヤングスタウンと言えば、私の大好きなボクサー、ケリー・パブリックの出身地だからです! 私が「あなた達の街には私の好きなボクサーが住んでる」と言うと彼らは急に笑顔になり「君ボクシングファンか!? 俺達はケリーや若いボクサー達にKB指導をしてるし彼らとトレーニングも一緒にしてるよ!」と。 マジ!? マジマジマジマジッッ!!!??? 思わずJWを呼んで「ヘイJW,この人達K・パブリックとKBトレしてるんだって!!!」と仕事も忘れて言うとJWも「マジ!? マジマジマジッッ スゲ〜〜〜ッッ!?!?」と。 興奮してウエイトインの後彼らと沢山ボクシングの話しをしました。そして、今日彼らと再会をしました。 互いにこんなに直ぐに再会出来ると思わなかったので喜び合います。 彼らは「ナゾが今日来るって知ってたらパブリックのTシャツ持ってきたのに!!! でも、次回は遅くとも8月にシカゴで会えるからその時にTシャツ持ってゆくよ」と。 う・う・嬉しい・泣 !!!!
写真はヤングスタウンリフターの二人。左のマイク(2人ともマイクと言う名だ)〜は、ホルへが「今日最も感激した、目標としたいリフター」とうなった、本当に素晴らしいリフターで彼は32kgで優勝そして20分間チャレンジは28kgで、24kgベルのホルへと並んで完走しました。素晴らしい力の持ち主です。

彼らは「ヤングスタウンは鉄鋼都市で現在は荒廃の一路を辿り、若者の娯楽はドラッグとアルコールと喧嘩と犯罪という有様。そんな彼らのネガティブエネルギーをボクシングとKBで更正させたい。喧嘩したくてそして金が欲しいならリングで堂々と戦って稼ごうと頑張れと言っている」と言う彼らの言葉に「それは正に、私がボクシングジムに通っていた時に「いつか低所得者の為のボクシングジムを作りたいと夢見ていた事の動機と同じ!」と感動しました。 彼らとは近い将来必ずOKCワークショップを一緒に行おうと約束しました。

この様に、KBイベントに行く度に、気持ちの通じる仲間達が増えて行きます。 今回も沢山の新しい人達と知り合いになりました。
打ち上げでは10人の仲間達と日本食レストランへ。 皆”カリカリじゃこのサラダ”や”ごぼうチップ”や日本風カキフライや明太子ソースで食べる揚げ物やはまちのかま焼きなど、彼等が自分達では決して注文しなさそうなものばかりわざと頼んでみましたが、皆「こんな美味い日本食があるとは知らなかった!」と凄く喜んで、カキフライなど追加注文を取ったりし、食事も話も楽しいひと時でした。カナダから初めてNYに来たボリスとエリックのバス出発の10:45pmまで未だ時間があったので、私は2人をタイムズスクエア観光に連れて行き、11時過ぎに帰宅した時はもうぐったりでした。 しかしボリス達はこれから再び11時間バスに乗ってトロントまで帰ります。皆様お疲れ様でした。

ナゾ